南部編コラム11話 見町観音堂・小田子不動堂

  • 2013.07.12 Friday
  • 16:54
 見町観音堂(みるまちかんのんどう)は、応永3年(1396年)に南部政光が長慶
天皇の菩薩を弔うために創建されたと伝えられています。正面3間・側面3間で宝形
造茅葺の仏堂は、度重なる修理によって当初の姿が大分失われていますが、技法の
上では、かなり古い箇所もいくつか残されており、内部の来迎柱廻りなど当時の面
影が残っています。県内では数少ない近世の三間堂であり、平成9年1月に創建当初
の茅葺屋根に復原されました。

 堂内には、絵馬や羽子板のほか読経札、棟札、順礼札など359点が残されてお
り、平成2年に国指定重要有形民俗文化財となっています。また、見町観音堂は奥
州糠部三十三所順礼の十三番札所となっており、観光上人をはじめとする8枚の順
礼札が残されていました。応永3年(1396年)の棟札も残されていますが、現存する
ものはそれより後の江戸時代中期のものであるといわれています。
これらの絵馬は、庶民信仰の実態と推移を理解する上で貴重であるばかりでな
く、良馬の産地として古くから著名であった南部地方における江戸時代の絵馬奉納
の特色を示しています。また量・質ともに優れた東北地方の奉納絵馬の代表的なも
のとして重要であるそうです。
絵馬からは、馬と共に生活をしてきた農民の良馬産出祈願を目的としたものが多く
見受けられ、人々の馬を尊ぶ心が偲ばれます。

 七戸町中心部に位置する小田子不動堂もまた、南部政光により見町観音堂と同時
代頃に創建されたと信じられており、縁日である正月3日は、参詣者で賑わいをみ
せたといわれています。不動堂には108点もの絵馬が奉納されており重要有形民俗
文化財とされています。馬を左向きに見返り風に描いた、「藤右衛門の小絵馬」
として知られる一定形式の小絵馬が多い所が特徴です。
(金さん)

出典: 七戸の小絵馬
七戸町史
南部小絵馬目録