コラム第21話 ねぶた師の一年

  • 2013.06.23 Sunday
  • 11:48
 日本の三大祭りの一つともいわれるねぶた祭り。その歴史も長く、毎年色鮮やかなねぶたが青森市内を凱旋します。ねぶたは、職人が一年がかりで作る集大成ともいえる素晴らしい作品です。
 ねぶた師は、その年のねぶた祭りが終わると、すぐに次の年の構想を練り始めます。題材は、歴史物が多いため、様々な文献や資料を調査し、下絵を制作します。題材が決まり次第、手足などの細部をあらかじめ作っておきます。そして、下絵をもとにしながら針金で形を作っていきます。ねぶた作りはねぶた小屋で行われます。以前は地区や団体ごとにねぶた小屋を用意しましたが、現在では、ねぶた制作作業もしだいに観光要素の一つとなり、見学しやすいようにアスパムのラッセランドにまとめられています。下ごしらえが終わると、角材の支柱をベースに、ねぶたの骨組みを作ります。針金やタコ糸を使って、細かく複雑なかたちを作り上げていきます。次に、1000個もの電球や蛍光灯を使い、ねぶたを中から照らします。柱の影ができないように工夫をこらしています。それから、紙貼りが行われます。針金に紙を貼るのは専門の人達です。曲線に合わせて紙にふくらみをもたせたり、熟練の技が要求されます。
 さらに、書き割りといって、顔や輪郭、着物のしわなどを墨で書きいれていきます。太さやかすれなど、力強い筆の表現がねぶたの迫力を生み出します。ろう書きといって、パラフィンを溶かしたものを使い、色を塗り分けたり、すかし模様を作り出します。最後に色付けをし完成となります。染料や水性顔料などを使い、ハケや筆、スプレーなどで彩色します。
 
 ねぶたを作るには、相当な技術が必要とされます。特に制作者として優れている人には、「ねぶた名人」の称号が与えられ、現在まで、初代北川金三郎を初めとした、4人の名人が誕生しています。
(サト)
出典
青森ねぶた 1992