コラム第5話 十三湖

  • 2013.06.05 Wednesday
  • 10:39

 第五話 安藤氏と南部氏の覇権争い 〜十三湖〜

 約1400年頃、今の青森県地域において安藤氏と南部氏は激しく覇権を争っていたといわれています。直接の軍事対決はもちろん、中央政権への献上物でも激しく争っていたという記述が残されています。今でいうと中央政府に便宜を図ってもらうための賄賂攻勢というところでしょうか。豪華な贈り物を献上するにはもちろん莫大な財力が必要となります。
 覇権争いの当事者の一方である安藤氏が本拠地としていた十三湖へ取材に行ってきました。中世には全国でも有数の繁栄を誇ったといわれる十三湖ですが、今はしじみ漁が盛んな静かな漁村です。
 そんな静かな十三湖に中の島という島があり木造の橋でわたることが出来ます。そこにあるのが市浦村歴史民族博物館です。ここには平成三年から五年にかけて行われた十三湊遺跡発掘の成果を中心に、十三湊遺跡に関する様々な展示が行われていて、とても興味深く見ることができます。
 その中でも一番私の興味を引いたのは当時の交易ルートを示した図解です。その交易ルートは海流を利用したもので、日本海側を南は九州以南までのびていて、北は北海道を超え遥かロシア領。さらに朝鮮半島、中国大陸へとのびていました。その海運ルートの重要拠点として十三湊はありました。
 当時の様子を想像してみると、きっと十三湊の人たちは今の私たちよりも遥か外交的て開かれた人たちであったことは容易に考えられます。日常的、定期的に外国の人間や文化、それまで知られていなかった珍しい贅沢な物資などがが流入する。そしてその交易から莫大な利益が生まれ爆発的に繁栄していきました。
 このような事象は中世・十三湊に限ったことではなく、現在でも世界のどこかの都市では進行形であるのでしょう。「歴史の一片として、繁栄と衰退が繰り返されているのでしょう。

出典:弘前市史 資料編
                                    

 (金さん)