第27話 城下町 〜仲町武家屋敷〜

  • 2013.08.28 Wednesday
  • 12:00
※青森県弘前市亀甲の商店街

 弘前の城下町は、外敵に備え、綿密に設計された一つの要塞として建てられました。藩政時代の津軽為信によって行われた城下町の町割りは、家柄や職業別によって配置されたそうです。
弘前城の北側にある仲町地区は、国の重要伝統的建造物群保存地区として選定されており、津軽藩の武家の住まいが建てられた武家屋敷が保存され、昔ながらの門や板掘、生垣などが伝統的な街並みを見ることができます。
※青森県弘前市、武家屋敷、旧伊東家住宅

 仲町地区は小人町、馬喰町、若党町の一帯を指します。小人町は、当初「御小人(雑役)」の居住地区で、現在の若党町の東半分も含んでいました。元禄以後、若党町と同じように武士の居住地に変わり、町名はそのまま残されました。馬喰町は当初、「籠町(かごまち)」と呼ばれ、馬の鑑定、医療や売買を行う「博労(ばくろう)」が住んでいたことから博労町となりました。若党町は当初、「歩者町(かちのものちょう)」と呼ばれ、慶安年間(1650年頃)に「御陸尺町(おろくしゃくまち)」と改称されます。「陸尺」は乗り物を担ぐ人を指します。「若党」とは、武家の付き人のことです。馬喰町も若党町も元禄年間からこの地に武士が居住するようになり、現在の町名になりました。
※旧伊東家いろり

 仲町地区では三棟の武家住宅が一般公開されていて、県重宝に指定されている旧伊東家住宅と旧岩田家住宅、旧梅田家住宅などを見ることができます。式台構えの玄関を正面として接客用の座敷や日常の場である常居(じょい)などが続き、簡素ながらも剛健な江戸時代後期の中級武士の生活を偲ばせてくれます。
 亀甲門の向かいにある石場家住宅は、江戸時代中期に建てられた津軽地方の商家の遺構として貴重であり、国の重要文化財に指定されています。石場家は弘前藩の御用商家であり、藩政時代には、雑貨などを扱っていました。現在は、酒屋を経営しています。
※武家屋敷外観

  このように、弘前市仲町伝統的建造物群保存地区は、多くの伝統的な街並みが大きく変貌する中にあって、江戸時代の武家屋敷の景観を今に伝える地区として重要視されています。

出典 青森県史 資料編 近世1 近世北奥の成立と北方世界P189(青森県)
   弘前市仲町伝統的建造物群保存地区提供資料

コラム 弘前城

(芳賀)